「会計の神さまが教えてくれた お金のルール」(天野 敦之著 日本実業出版社)
という本を読みました。これはイイ本だったよ。
元々この著者の「君を幸せにする会社」という本を読んだことがあって、
その本はいい本だったっていう記憶があったのね、内容は覚えてないんだけど(笑)
この人のスゴイところは、
僕たちは「会計」という言葉を聞くと「=簿記」というイメージが出来てしまうところ、
もっと広い意味での「会計」というものを教えてくれることと、
会計を学んで役立つのは経営者やサラリーマン、だけでなく、僕たちの人生に役立つ考え方が書かれてるところ。
人的資本のバランスシートなんかはすごく納得するところだったし、一読して損はないんじゃないかなと思いました。
前に電話した時にヨシが言ってたことであり、そして、多くの日本人が何となく感じてしまっていることに、
お金を稼ぐことは何となくキタナイこと
という印象があると思うのね。僕も正直、その気持ちは分からないでもない。
この本の主人公は、僕たちのこういった気持ちと同じ気持ちを持っていたようで、
会計の神さまである「ルカ・パチョーリ」から不労所得について教わった時に
「ずるい気がする」「お金は汗水垂らして稼ぐものと習った」って言うのです。
それに対してルカ・パチョーリはこう言います。
大切なのは、おまえが汗水垂らすかどうかやなくて、
会計の神さまが教えてくれたお金のルール P
誰かの幸せを生み出しているかどうか
この文章を読んだ時にハッとしちゃった。
お金の稼ぎ方が大事ではなくて、
自分自身の幸せに繋がる生き方をしているのか、
誰かの幸せに繋がる時間を過ごしているかの方が大事ってことなんだよね。
これってスゴく大事な考え方なのに何となく見過ごされがちな気がする。
あとさ、詐欺まがいのことをすれば短期的に大金を稼ぐことは可能だと思うんだけど、
でも、それって長くは続かないよね。
こういう稼ぎ方を続けるとしたら、次から次へと違う商品を発明し続けなければならない。
そういう意味では、オレオレ詐欺というのは本当にスゴイよね、ずーっと続いてて(笑)
そういう犯罪はちょっと除いたとして、
長期的にお金を稼ぎ続けている人ってずーっと誰かに必要とされているわけで、
また同時に、信用されてるとも言えるんだよ。
汗水垂らすのも、誠実さという信用を得るために大切な要素だと思うんだけど、
大切なのは信用を得続けることだと思うんだ。
そして、実は借金が出来るというのも信用があってこそなんだよ。
僕たちには「借金は悪」という思いもあったりするけど、
そもそも信用がない人は借金すら出来ない。
借金にも、良い借金と悪い借金っていうのがあって、
僕たちはおそらく悪い借金について教わってきているんだと思う。
これは決して悪い教えではない。
というか、小さい子に物事を教える場合には単純化した方がいいから、単純に借金はいけないよって教えてると思うのね。
本当は良い借金と悪い借金があるんだけど、この違いを小さい子が理解するのは難しいから、
だったら「借金は悪い」と教えておく方が大きな過ちにつながりにくいし。
でも、僕たちはもう大人なんだから、
そういう短絡的な意見に捉われていてはいけないってことなんだろね。
支払う利息以上に稼げる借金は良い借金であり、
良い借金は人生の貴重な時間を短縮してくれる効果があるっていうのはしっかりと理解しておいた方が良いんだろな。
借金を利用することをレバレッジっていうんだけど、
この本では、僕たちの人生にもレバレッジを掛けた方がいいと書いてました。
「借金しろってこと!?」って思ったところ、
人生におけるレバレッジというのは借金ではなく「他人の力を借りること」なんだって。
確かに借金だって他人のお金のことだもんね。
そう考えると、レバレッジは他人(の能力、知識、時間、お金)を借りることなんだ。
というか、そもそも僕たちが今、こうして生きているだけでもどれだけレバレッジを使っているか分からない。
会社でも家庭でも空手でも何にしても、他の人がいてくれるからこそ今の僕たちがいられるわけで。
先程、「借金は、信用がなければ出来ない」と書きました。
「お金を稼ぎ続けるのも、信用がなければ出来ない」とも書きました。
周りの人に力を貸してもらうのもこれと同様、信用がなければ出来ないよね。
そう考えると、大事なのは周りから信用されるような生き方をすることであり、
そして、より信用されるためには、より役に立つことが大切。
ただし、より役に立つというのは決して「汗水垂らして働くこと」とイコールではない、というのも忘れてはいけないところ。
無借金で自分の力だけで生きていくのも決して悪いことだとは思わないんだけど、
他人の力というレバレッジを使うという方が、より豊かな人生になるような気がするね。
いきなり借金やら他人の力を使うってのは難しいかもだけど、まずは覚えておくことから始めてみようかなと、そう思うのでした。
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