形を打つ時に無意識の内に呼吸を止めてしまう癖が抜けず、すぐに疲れてしまっていたが、国際松濤館の金澤先生の半月のDVDを元に、呼吸を意識して練習するようになったところ、疲労度合いが全然違うことを体感した。
基本的には、一挙動の前半は息を吸いながら、後半で一気に吐いて極める。二本突きなどの連続技の場合にはこの限りではないけれど。
当初は鼻から吸って口から吐いていたが、鼻から吸って鼻から吐く方が、力が逃げにくいような気がしている。
一般的には呼吸を吸うと体が膨らむことになるが、僕の場合には、鳩尾を後ろに凹ませるような気持ちで吸うことにしている。鳩尾を凹ませることにより重心を少し崩し、その瞬間に体重移動を図ると共に、後ろに下がり気味にすることで前方への攻撃の気配を消すという目的のためである。
呼吸を吐く際には、鼻から「ふん」と一瞬で吐くと、鳩尾の辺りが上から下に落ちるような感覚があるので、それに合わせて攻撃を行う。特に、平安参段の11挙動のように起立の状態から騎馬立ちになるという、頭の高さを変える動作においてはこれが一番力が加わるような気がしている。以前は口から「はっ」と一瞬で吐きながら行っていたが、これだと全方向に力を発してしまい、前方のみに力を伝えるという意味では少し弱く感じるため、現在では鼻からの「ふん」を採用している。ただし、鳩尾の辺りをより上から下に落とす音は「め」もしくは「む」という気もしているため、「ふん」から違う音に変える可能性はある。
また、息を一瞬で吐きながら極めようとすると、力を入れようとしなくとも自然と力が入ることが分かった。力を「入れる」のではなく、力が「入っちゃう」方が体の使い方としてはおそらく正しいと思うし、運動負荷が増える意味では筋力アップにも繋がると思っている。
その昔、阿部 圭吾先生が、形を打ってゼェゼェと呼吸をしている弟子に対して「何で息が荒れてるんだ」と怒ったという話を聞いた事がある。当然体力を付ければ疲れにくくなるものの、そもそも疲れにくい体の使い方をする必要があり、呼吸をしっかりと意識しながら行うのは、疲れにくい体の使い方に繋がることが体感として分かった。
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