平安四段の一挙動目

平安四段の一挙動目の両腕の動かし方は道場によって2種類に分かれる。

私が習ったのは、大袈裟に言うと最初に上に持ってきてから左に受けるような動作。
つまり、左上段内受を背腕にて行うもので、左手の甲が顔の前を通っていく、左脇が空かないような動かし方。

もう一つは、両腕を左に持っていき、それから上に上げながら受けるような動作。
つまり、右上段揚受を開手にて行うもので、右腕中央辺りが顔の前を通っていく、右脇(左脇も)が空かないような動かし方。

これは、左右どちらの手で受けるかによる違いかもしれない。

左手で相手の突きを受ける場合には前者の受け方。
自分の左手で相手の右上段突を払う。
それと同時に一歩右足を出しながら攻撃をするとか、
それと同時に右足を横に移動させ、手刀打を極めることになるかと。

右手で相手の突きを受ける場合には後者の受け方。
自分の右手で相手の右上段突きを受け流す。
同時に左手で相手の肘の辺りを押し、関節を極めるとか、
同時に下から相手の目を突くことになるかと。

平安四段の一挙動目は、両手を右腰の辺りに持ってくるのではなく、
自然体のまま開手にし、その位置から受け始めると教わった。

それが正しいとすると、後者のように両手を左に持っていき、そこから上げる受け方は正しくないような気がする。

とはいえ、最初に右腕が真上に上がるような受け方では、右脇が完全に空いてしまい、これもまた日本空手協会の基本に合わない受け方となってしまう。

自然体の位置から受けることと、両脇を締めることを考えると、ここはシンプルに、両腕を斜め上に持ってくるのが正しいような気がした。

ポイントは、両脇を締めながら、拳先をまっすぐ斜めに移動させるようにすること。
肘を折りたたむことを意識しても良いが、拳先をまっすぐ斜め上に移動させようとすると、自然と肘が折りたたまれることになり、この方がムリなく自然に動作を行える。

尚、この一挙動目の際には息を吐きながら動き始め、途中から息を吸っている。
両腕が下にある時に息を吐き、体全体を収縮させ、
両腕を斜め上に上げながら息を吸い、体全体を拡張させる。

武術的に正しいかどうかは分からないが、ゆっくり動く動作は、最初に息を吐き、途中から吸う方がやりやすいような気がする。

平安参段の11挙動目も同様である。

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