波返しの角度と返し方

移動する際にカカトを浮かせないためにも波返しの要領で地面に力を伝えると良いのではないかと書いてきたが、その角度も動作によって変えることで、より広く使えることが分かってきた。

例えば平安初段の三挙動目のように大きな回転をする場合には、膝の向きも変えて大きな角度で波返しをするようにした方が動きやすい。
この動作では、右膝の向きを90度時計回転させて正面まで向かせ、その状態で波返しをするようなイメージとなる。

また、平安二段の七挙動目だが、後屈立ちの前側である右足は体重が乗っていないので波返しをしても意味がない。
強いて言うならば、波返しの動作により重心を右に崩すことはできるので重心を移動させたいならば意味があるが。

なので、七挙動目においては左足を使う必要があるが、この際に普通の波返しのようにカカトを動かすようにすると、次の八挙動目の蹴る方向が後ろに向かなくなってしまう。

そのため、この動作においてはカカトを動かすのではなくつま先を動かしてあげる動作の方が良い。

また、その際に足を着地させる場所にも注意が必要である。

普通に重心の真下に足を動かし、それから八挙動目で蹴りを行うと重心が左足に乗りすぎてしまい、次の左後屈手刀受がが遅くなってしまう。

そのため、例えば七挙動目の左足は真右に動かすのではなく、斜め右前に移動させると次の蹴りの際に左足で地面を斜め下方向に蹴れるため、重心が左足に残りにくい。

または左足を真右に移動させた瞬間にお尻をしっかりと引き、左足の股関節が曲がりすぎないようにコントロールすることで、重心が左足に掛かりすぎないようにすることも可能である。

またはまたは、左足を右斜め後ろ方向にわざと持ってくるとどうなるか・・・など、足の移動先についてはこれから研究が必要となる。

とりあえず、波返しの角度をコントロールすることでスムーズに動ける動作が増えるはずなので、
どの動作の場合にはどの角度で蹴るのが良いかを研究してみようと思う。

ただし、波返し自体がポイントなのではなく、力をどこに集められるかがポイントなので、波返しにこだわらないように気を付ける必要があるが。

太気拳の松井欧時朗先生がおっしゃっているように、全身をゴムまりのようにするのが大事と考えると、一方向に力を加えるのではなく、同時に全方向に力が加わるような、そういう力の使い方を意識して練習することの方が大切だと思っている。

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