vol.005 「教えてもらって覚える」とは、どうすればよいかではなく、〇〇〇

前書き

兄と同居を始めた母は、テレビの大画面でYouTubeを見ていますが、日本人のではなく、アメリカ人の草を刈る動画を見ている・・・かと思いきや、最近はベトナム人の動画を見てます。その内、ベトナム語とか分かるようになったりして(笑)

さて、新しいブログでは初めての紹介になりますが「1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書」からの学びを共有となります。
この本は名言が多くて、JUGEM時代のブログではだいぶ引用させてもらいましたが、新ブログでも沢山学ばせてもらおうと思っております。

4月5日の、大工の棟梁である田中 文男さんからの学びです。

本文

大工の技術取得法は、大きく三つに分けることができます。それは「慣れて身に付ける」「教えてもらって覚える」「習って高める」です。

1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書 P126

「慣れて身に付ける」っていうのは道具を使いこなせるようになるという意味で使っていました。

これは分かると思うんだけど、
「教えてもらって覚える」と「習って高める」って似ているような気がしまして、どう違うんだろう?と思っちゃいました。習うってことは教わるってことやんか!と。

この両者の違いは何かというと「教えてもらって覚える」というのは、大工の現場で親方や先輩から教えてもらう、要は仕事をしていく中で教えてもらうことでした。

「習って高める」というのは、仕事の現場ではなく、例えば社会人大学に行くとか、塾やセミナーに足を運ぶなどのように、仕事の現場ではなく、自らの意思を持って学びに行くことをおっしゃってました。

そして、ほとんどの人は、仕事中に教わることだけで終わらせてしまって、それをより高めるために自らどこかに学びに行くことはないんだともおっしゃってました。
確かにそうかもしれないね。

それはそれとして、田中さんの話の中で面白かったのは次の部分でした。

「教えてもらって覚える」とは、修業期間中に親方や兄弟子から、大工になるための常識を教えてもらうことです。

その常識とは、やっちゃいけないことなんですね。
どうすればよいかではなく、職人としてやってはいけない、いわばタブーを教え込まれました。

このタブーが大工にとっての常識で、五十ぐらい知って初めて職人として通用します。
棟梁で二百ぐらい、現場の管理者ともなると七百ぐらいでしょうか。

「人に迷惑かけるな」「人に笑われるな」「人にやってもらいたくないことは死んでもやるな」などが、やってはいけないことのイロハです。

1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書 P126

親方や兄弟子から教えてもらうことは、
どうすればよいかではなく、職人としてやってはいけないことってのは面白い。

例えば僕たちがコンビニでバイトを始めるとしたら、どうすればよいかというマニュアルを準備されるわけです。
短時間である一定のレベルにまで引き上げたいならば、どうすればいいかを覚える方が早いからね。

でも「どうすればいいか」しか覚えていないと、書いてないことに遭遇した際に臨機応変に対応することは難しいよね。

「何故、それをやるのか」
「何故、その順番で声がけをするのか」

などのような、マニュアルにどう書かれているかではなく、どうしてそういうマニュアルになったのかといった「理由」まで深く考えるような人でないと、臨機応変に物事に対応するのは難しい。

大工の常識として「人に迷惑かけるな」「人に笑われるな」「人にやってもらいたくないことは死んでもやるな」という3つの項目を挙げてくれたんだけど、共通するのは「心構え」という点。

そう考えてみると「やってはいけないこと」を教わるのが大切なのではなく、
「心構え」を教わるというのが大切なことだと思うのね。

例えば、僕たちが習っている日本空手協会の空手では五条訓という大きな目標があるよね。

  • 人格完成に努むること
  • 誠の道を守ること
  • 努力の精神を養うこと
  • 礼儀を重んずること
  • 血気の勇を戒むること

これらは全て具体的な行動というよりも「心構え」だよね。
大工さんの例でいうならば「どうすればいいか」に所属する方だと思うけど、内容が非常に素晴らしいと僕は思っている。

こういった「心構え」を意識して仕事(や空手)を行うだけで非常に良い仕事が出来るようになると思うわけだけど、

これはあくまで自らの今までの知識や判断を鍛えるだけであって、
それ以上にはならないということも出来る。

だから「習って高める」というのが大切になると田中さんはおっしゃっているんだろうなと思いました。
僕たちで言うならば、総本部道場に通うとか、他流派を学ぶとか、そういうのが大切だ、と。

正しい心構えを持ちながら、自分の実力自体も高めていく。
このバランスをしっかりと取ることが大切だなと学ばせてもらったのでした。

編集後記

僕たちが子ども達に空手を教える際には「どうすればいいか」ばかりを教えてるよね。突き方だったり受け方だったり。

当然、そういう具体的な教えがないと子ども達もどうしたらいいか迷っちゃうから、それが悪いことではないと思うんだけどさ、
やっぱり参段以上になった人は「何故、そういう動きをするのか」といった「理由」部分を追究した方がいいんじゃないかなと思います。
より深く空手を学べるようになるし。

ちなみに読書というのも一種の「習って高める」ことだと思うんだよね。
他人の経験や学びを、僕たちのモノにできるわけだから。
でも、本を読むだけでは「心構え」を学んだに過ぎず、それらを日々の生活に活かしてようやく「(習って)高めた」ことになると思うのです。
本を読んで満足するだけでなく、それらを実践していけるようにがんばっていきたいものです。

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