vol.009 何かを判断する方法

僕たちの心は感情と理性で作られており、
いかに感情をコントロールするかとか、感情に訴えかけてそれを商売に繋げるか、とか、
そういうところを今まで学んできたわけですが・・・

これとは別に「情」というものがあるというのを最近ようやく知ったわけです。

「感情」という言葉の中に入っているのに気付いていなかったわけで、
一体どうなってんだ僕は、と反省させられてしまうわけですが・・・。

例えば長年連れ添ってきた夫婦は、
仮に配偶者に対して「嫌い」という「感情」を抱いていたとしても、
長年一緒にいたことで積もってきた「情」があり、そう簡単には別れられなかったりする。

重松 清さんの短編小説の中に、不倫して男と出ていった奥さんから数十年後に連絡があり、
旦那が奥さんと一緒に暮らすと決断する、みたいな話があるのね。

子ども達はお母さんのことを恨んでいて、一緒に暮らすと言ったお父さんに対して
「まだ好きなの?未練があるの?」みたいなことをお父さんに聞くんだけど、
それに対してお父さんが「そういうものじゃないんだよ」って答える。

これがいわゆる「感情」ではなく「情」なんだろうなと思うのです。

では、喜怒哀楽といったいわゆる「感情」と「情」は一体何が違うんだろうか。
ま、広義で考えれば「情」も「感情」に含まれるのかもしれないけれど。

僕が気付いたことは、喜怒哀楽というのは今この時に感じるものではないか、ということ。

「心はコロコロ変わるから、こころ」なんて言葉もあるように
今この瞬間に感じて変わっていくものが感情であるのに対し、

過去からの積み重ねによって作り上げられていくのが「情」なんじゃないかな、と。

言い方を変えれば「情」とは過去に執着しているという言い方も出来るしれないね。

「10年間払い続けてきた保険を解約するなんて勿体ない!」なんて思っちゃうのも、
過去の積み重ねに作り上げられてきた情の一つかもしれない。

ちなみにこの場合、
「もし現時点でその保険に加入をしていないとして、今からその保険に入りますか?」
という問いかけをして、YESならば続けた方がいいし、NOなら止めた方がいいと思うのね。

つまり、「今まで支払ってきた」という部分を使わないで判断すると、良い結果に繋がりやすい気がする。

それを言うならば、長年付き添ってきた夫婦だって
「現時点で独身だとして、今からその相手と結婚しますか?」
という問いかけをして、YESならば離婚せず、NOなら止めた方がいいと言われるかもけど、

保険は自分一人の問題なのに対して、
離婚は自分一人だけの問題じゃないので簡単に結論を下しにくい気がするね。

ここで大切なのは、未来を考えることだろうなと思うのです。

例えば保険の場合、これは僕の事例だけど、

  1. このまま保険を満期まで続けた場合に受け取れる金額
  2. 今解約をして返ってきたお金と毎月の掛け金を投資に回した場合に得られる金額

の両者を比較して、後者の方が段違いに多いことが分かったのでアッサリと辞められました。
なので、例えば「投資は一切やりません!」という人は、前者を選択して保険を掛け続ける方がいいという結論になるだろうね。

夫婦の離婚するしないについては・・・これは僕の事例じゃないんだけど(笑)

この場合には離婚した場合としない場合で、
自分がどうなるか、どういう気持ちになるだろうかを考えればいいように思います。

例えば浮気ばかりする彼氏だとした場合、
「自分はこの人と一緒にいて今後に幸せが待っていると思えるか?」を考えて
「幸せが想像できない、不満ばかりで後悔する」と思うならば別れた方がいいだろうし、
「別れたらきっと後悔する」と思うならば、苦労するだろうけど別れない方がいいんだろうね。

重松さんの短編のように、不倫してそのまま駆け落ちしてしまった奥さんと再度一緒に暮らすかどうかについても、
今後、一緒に暮らすという選択をした場合と、
一緒に暮らさないという選択をした場合に、
自分がどうなるか、どう感じるかを考えて、良い方を選択すれば良いんだと思うわけです。

「また不倫していなくなるかどうか不安だし、また逃げられたら自分の心が耐えられない!」
って思うなら一緒に暮らさない方が良いだろうし、

「彼女は駆け落ちをしたのは自分に何か落ち度があるし、自分に魅力がないってことなんだろう。
 きっと、彼女は僕の元に戻ってきたかったわけじゃないだろう。
 でも、それでも戻ってきたということはどうしようもなく困っているんだろう。
 そういう人を振り払ったら、自分は一生後悔する」
と思うなら一緒に暮らした方がいいんだろうね。

僕たちが行動するかしないかを判断する時には、このように、
将来の自分の気持ちを想像してみると良い結果に繋がりやすいような気がします。

編集後記

ちなみに今回のブログを書こうと思ったのは、
「責任感って一体どういう感情なんだ?」
という疑問がふと浮かんで、それと、以前のJUGEMブログに書いた、
「情」は「感情」とは別にあると言う気付きが合わさったのが理由でした。

「責任感」も「情」と同じで過去が関係するものなんだろなって。

他にも例えば「不安」は未来が関係するし、
感情を考える上では時間軸も考慮すると見え方が変わるかもしれないね。

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